私がアイスホッケー復帰のきっかけにもなった、アイスホッケー界の伝説の試合を今日はご紹介します。
私が思うアイスホッケー界No.1の伝説の試合は、2010年バンクーバー五輪の男子決勝のカナダvsアメリカ戦だと思います。
決勝はアイスホッケー史上最高の試合とされていますが、予選グループリーグからの流れもドラマティックで、決勝ゴールデンゴールを決めたのも、あの選手っていうところが思い出しただけでも鳥肌が立ちます。
2010バンクーバー五輪
2010年の冬季五輪はカナダのバンクーバーで行われました。
日本選手は銀メダルが最高順位で金メダリストが出ず、少しさみしいオリンピックだったと記憶しています。
アイスホッケーは12のチームが出場し、3つのグループに分かれて予選リーグを行います。
上位チームで決勝トーナメントを行って優勝を決めます。
カナダとアメリカのライバル関係
ご存知NHLは北米アイスホッケーリーグは、選手の多くはカナダとアメリカ人の選手が大部分を占めています。
どちらも、アイスホッケーが盛んな地域であり、特にカナダはアイスホッケーは国技でカナダの文化と言ってもいいほど、アイスホッケーが文化として根付いている国です。
カナダとアメリカはお隣同士の国ですし、NHLの関連もあって意識しないはずがない国同士で、良い意味でアイスホッケーのライバル関係です。
他の国ももちろん強豪国ですし、盛んなリーグもある地域ですが、カナダとアメリカは特別な意味合いのある国同士で、カナダ開催のオリンピックで決勝がカナダ対アメリカというのは非常に特別な試合なのです。
決勝までの経緯
予選でアメリカとカナダが同グループに入ってしまい、予選ではカナダはアメリカに3−5で敗れて、グループ2位で予選を通過しました。
決勝でのアメリカにリベンジを誓い、カナダは決勝トーナメントを勝ち上がり、アメリカも順当に勝ち上がり、決勝で両チームが再戦となりました。
伝説となった決勝戦
冬季五輪の男子アイスホッケーは大トリなので最終日に行われます。
この決勝でのカナダの視聴率は80%と言われています。
とんでもない数字です。
そのくらい、カナダ国民が注目した試合でした。
シードを取れなかったため決勝トーナメントが1試合多くあったカナダがやや不利ではないかという中で、決勝が始まりました。
先制はカナダがリードし、追加点もカナダが取り、一時は2−0と優勢。
その後、アメリカが一点返し、最終第3ピリオド残り30秒を迎えます。
あと30秒守りきればカナダの優勝…。
世界中のアイスホッケーファンが息を飲む中、アメリカが一か八かのGKを下げての6人攻撃を挑み、残り25秒で同点に追い付きます。
1点差では、最後まで何が起こるか分からないのがアイスホッケーです。
ここで、みんな思ったはず。
アメリカの同点で勢いがついて、カナダが負けてしまうかもしれない…。
しかし、観客も諦めずに声援を送ります。
そんな、緊張感が最高潮の中、試合を決めたのが当時22歳だったカナダのエース、シドニー・クロスビー。
スーパースターは、こういう場面で本当に最高の結果を出すんですよ。
延長7分40秒で、クロスビーが持ち込んで溢れたパックを味方に託し、抜け出たとこでパスをもらいシュート。
パックはキーパーの足元を抜けて、金メダルを決めた正にゴールデンゴールを決めたのです。
【2010 バンクーバー五輪 男子アイスホッケー決勝 ハイライト】
【2010 バンクーバー五輪 男子アイスホッケー決勝 フル】
伝説の由縁
私も、リアルタイムでテレビで見ていましたが、感動で涙しました。
なんですか、このドラマチックな展開は。
・予選で負けた最大のライバルアメリカからの勝利
・同点からの延長の末の若きスーパースターの決勝ゴール
『こんなん泣くやん絶対。クロスビー半端ないもん。22歳で世界最高の舞台のプレッシャーの中で、決勝の延長戦で決勝ゴール決められる普通?普通できひんやん。クロスビー、マジ半端ないって。』
僕はこう叫びながらロッカールームで泣きました…。
最大のライバルあっての名試合
私は、準優勝のアメリカも大いに讃えたい。
こんな名試合を見せてくれたアメリカ代表にも感謝の気持ちでした。
ヒカルの碁で出てくる桑原名人の言葉を借りるのであれば、
『アイスホッケーは1チームだけではできない。
一人の天才、強豪1チームだけでは
歴史に残る名試合は生まれない、
等しく才たけた2チームがあってこそ伝説の試合が生まれる。』
まさに、この言葉を体現した試合でした。
最強のアメリカ代表があったからこそ、この名試合は生まれた。
まさにアイスホッケーの神様に一歩近づいた日となりました。
『碁は一人じゃ打てんのじゃ。2人要るんじゃよ。一人の天才だけでは名局は生まれんのじゃ。等しく才たけた者が2人要るんじゃよ…。2人…。2人が揃ってはじめて神の一手に…一歩近づく』
−ヒカルの碁 桑原名人−
あとがき
伝説のバンクーバーオリンピック、男子アイスホッケー ファイナルいかがでしたでしょうか。
私は、しばらくアイスホッケー から離れていましたが、この試合を観ていつかもう一度アイスホッケー をやろうと心に決めた試合でした。
それからはクロスビーのプレーを子供のようにかぶりついて動画を見て、真似して、必死で動かない体に鞭を打ってプレーしています。
アイスホッケーの楽しさやスポーツの素晴らしさが本当に溢れた試合で、書いても書き尽くせない試合です。
ぜひ、機会があれば一度見てみてください。
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