ピタッと自分に合うスティックに出会えるとあなたのプレーの質を大きく向上させます。この初心者向けアイスホッケースティックガイドは、あなたのベストスティックを見つける手助けとなるように解説していきます。
スケート靴と同様に、スティックはアイスホッケーのプレーヤーにとって最も重要で個人的な趣向の強い用具の一つと考えられています。ゲーム中、一度にスティックがパックに触れている時間は数秒かもしれませんが、その回数は試合中数え切れないほど行われます。
スティックはそれを作るメーカーやモデル、重量、材料、長さ、硬さ、ブレードのライ角、ブレードの曲がり、キックポイント、など多くの違いがあります。
アイスホッケースティックのこれらの項目は、プレイスタイル、身長、体重、ポジション、と各々の個人的な好みなどによって選んでいきます。さまざまなスティックを試行錯誤しながらベストマッチなスティックを探すのもアイスホッケーの楽しさの一つです。
スティックの素材による違い
スティックは様々な材料から作られているので、いくつかの種類のスティックがあります。 最も一般的な材料はカーボン(炭素繊維)製、またはカーボンと他の材料の混合物ですが、まだ木材、ガラス繊維、あるいはアルミ製のスティックを見かけることがあります。 ワンピース型(シャフトとブレードが一体化しているもの)が最も一般的ですが、シャフトとブレードが分かれているスティックもあります。
木製スティック
安価な木製のスティックはそれほど良いものではありませんが、木製のホッケースティックは手に入るスティックの中で最も安く手に入ります。 木製スティックは予算上そこまで出せない初心者レベルのプレーヤーにとっては問題ありませんが、高品質の木製スティックの価格では、ほぼ同じ価格で販売されている中グレードのコンポジットスティックが見つかる可能性があります。 安いという理由や、または木製のシャフトの独特のフィーリングを好む人もいるので、まだ木製のスティックを使用している人は現在も見かけます。
コンポジットスティック
ほぼすべての選手は、最近はコンポジット(合成)スティックを使用しています。 そのほとんどはワンピーススティックを使用されていますが、コンポジットスティックはワンピースとツーピース(コンポジットシャフトに木製ブレードが接続されたもの)のモデルで見つけることができます。
コンポジットスティックは木製スティックよりも柔軟性があり、事前に決められたフレックス(硬さ)が選択でき、ロー、ミッド、またはハイキックポイントのようなフレックスを効かせるポイントを選ぶことが出来ます。
ほとんどのプレイヤーはワンピースのスティックを好みますが、製品の質が上がると非常に高価になる可能性があります。
よくある誤解があり、価格が高いスティックの方が耐久性が高いと思われています。しかし通常、コンポジットスティックでは、より高価なスティックは軽量の材料で作られ、より早く破損することがあります。低価格スティックはファイバーグラスと混合されていますので質量は重くなりますが耐久性が増し、長く使用することができます。
ファイバーグラス(ガラス繊維)
これらは木製のスティックで使用され、ファイバーグラスのコーティングまたはラッピングによって強度を強化しています。これらは数年前までは、技術的に進歩した木製のスティックでしたが、今はあまり人気がありません。
アルミニウム
アルミニウムスティックは、最初の木製以外のホッケースティックの製品で人気があったスティックでした。シャフトはアルミニウムで構成され、交換可能な複合材製または木材ブレードがシャフトに挿入されています。スティックはファイバーグラスや木材より軽く強かったもですが、ケブラーやグラファイトほど軽くはありませんでした。私が昔やっていた時には使用したこともありましたが、現在どのメーカーも作っておらず、プロプレーヤーも使用しておません。
カーボンファイバー
最もグレードの高いスティックは100%カーボンファイバー(炭素繊維)になります。今日市場に出ているホッケースティックの大部分は、100%のカーボンファイバー製、またはカーボンファイバーと他の材料の混合物で作られています。安価なスティックは、一般的に炭素繊維とガラス繊維で作られています。
価格による違い
スティックはそれぞれのモデルやメーカー、スペックによって価格が異なります。約8000円〜35000円までと価格の幅は広く設けられています。
一般的には、価格が高いトップモデルのものは軽くて、最先端のハイテクノロジーで作られています。
予算によって購入するものは異なりますが、新商品は基本的に定価での購入となりますが、前年のモデルや中古品等であれば、予算内で高いスペックのものを購入することができます。
初心者の方は、適正なフレックスや、長さ、ブレードパターンを試行錯誤しなければいけないので、高価なものですと何本か試すのが難しいので、中程度のものでいくつか使用してみるのが良いかなと思います。
ある程度の自分に合ったスティックパターンが分かったら、トップモデルのものが段違いに使用感が違うので最終的にはトップモデルの購入をお勧めします。
スティックの長さ・フレックス
スティックはモデルごとにユース・インター・シニアの3種類に分かれていて、既製品はその種類ごとに最初の長さと、フレックスが決まっています。
スティックの長さは一般的にはスケートを履いた状態で顎の高さ程度になるように調整します。ですので、極端に短すぎたり、長すぎるものは調整によって大きくフレックのバランスを崩してしまうこともあるのであまりおすすめできません。
基本的にはユースが中学生くらいまで、インターが中学生から大人まで、シニアが高校生以上といった基準となっていますが、個々の身体や技術などによって異なるので、あくまで参考程度で考えてください。
スティックの長さとフレックスは詳しく別記事にしてあるのでぜひ一読してみてください。


ブレードパターン
それぞれのスティックに様々なブレードパターンがあります。
基本はNHLの有名選手が使用しているモデルが採用されています。
ブレードパターンは個人の好みによるものが強いので、こちらも試行錯誤しながらベストなものを見つけられると良いです。
初心者の方は、まずは大きな曲りや、開きがない癖のないものから使っていくと良いかと思います。
ライ角
ライ角とは、スティックのブレード部分とシャフト部分の角度のことを呼びます。
本来ですと、自分の好みの長さによってライ角を決定しなければならないのですが、残念ながら日本で販売されている既製品のスティックは選択できないため、あくまで参考程度に聞いてください。
長さとライ角があっていないと、ホッケースタンスでスティックをつけた際に、しっかりとブレード全体がつかないので、シュートや、パス、ハンドリングの正確さに多少の影響を及ぼします。
オーダーでスティックを作る際などには気をつけたい部分です。
キックポイント
キックポイントはスティックのしなりのポイントをどこにあるかのことを指します。
今現在多いのは、ローキックポイントとミドルキックポイントなどです。
ローキックポイントは、素早くシュートをしたりするときに有効なので、フォワード向きです。
ミドルキックポイントは、スティックのしなりを大きく生かしたシュートができるのでスラップショットを多用する選手やディフェンス向きのポイントになります。
最近は、おいしいとこどりのハイブリッドタイプも出てきていますが、この辺はポジションやプレースタイルに依存する部分かと思います。
グリップ
スティックのシャフト部分に滑り止め加工がされているか、いないかの違いです。
最近のコンポジットシャフトはほぼグリップ加工されています。滑りにくくすることで、シュートやパスなどの正確性を増すことができます。
初心者の方の最初のスティックの選び方
たくさんの項目をご紹介しましたが、初心者の方が選ぶ時のポイントをまとめてみました。
・体重を計る→フレックスの決定:ポンドに変換してポンドの半分の数字から始めてみる。
・予算→予算内で買えそうなモデルをピックアップ(できればカーボンタイプのワンピースのスティックが良いです。)
・ブレードパターン→曲り・開きの少ないもの。CCMならP29のようなブレード。
・キックポイント→最初はミドルキックポイントが良いかと思いますが、お好みで。
特に重要なのは、長さとフレックスになります。
その2点を重点に据えて、最初のスティックを選んでみてください。何本か違いを見ながら、自分の体やプレイにあったベストなアイスホッケースティックを見つけると、よりホッケーが楽しくなります。ぜひ参考にしてみてください。
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